量子効果によるエネルギー生成/利用の革新的効率向上法の開拓と実現 文部科学省 学術変革領域研究(B)

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2025.01.09. 学変B「量子エナジー革新」セミナーシリーズのお知らせ(山鹿汐音氏)

本領域のセミナーシリーズとして、2025年1月9日木曜日に、山鹿汐音氏によるセミナーが開催されます。セミナー情報は下記です。

Speaker: 山鹿汐音(中央大学)
Date: 2025年1月9日(木)
Place:電気通信大学 西10号館336号室

Title: 量子多体系におけるエンタングルメントアシンメトリーと量子ムペンバ効果
Abstract:
ムペンバ効果とは「熱い水が冷たい水よりも早く凍る」という直感に反する現象である。この効果は古くはアリストテレスの時代から知られているが、その微視的な起源や発生条件には未解明な点が多い。このような背景のもと、ムペンバ効果を量子力学の枠組みから微視的に解明しようとする試みが近年盛んに行われている。その中でも特に注目されているのが、孤立量子系におけるムペンバ効果、すなわち量子ムペンバ効果の研究である。  量子ムペンバ効果は、孤立量子系内部の部分系が量子クエンチ後に定常状態から遠いほど速く緩和するという現象である。この現象は、局所的な部分系における動的な対称性の回復を緩和の指標として用い、リソース理論に基づく非対称性の指標「エンタングルメントアシンメトリー」の時間発展を部分系の縮約密度行列に対して計算することで発見された [1]。  本セミナーでは、量子ムペンバ効果の概要とエンタングルメントアシンメトリーの基本的な性質を説明する。その後、エンタングルメントアシンメトリーを用いた量子ムペンバ効果の研究について詳しく紹介する。特に、自由フェルミオン系や自由ボソン系のダイナミクスに注目し、エンタングルメントアシンメトリーの計算方法や、それによって明らかとなる量子ムペンバ効果の微視的起源や発生条件について解説する[2,3]。

[1]F. Ares, et al., Nature communications 14, 2036 (2023).
[2]S. Yamashika, et al., Phys. Rev. B 110 (8), 085126 (2023).
[3]S. Yamashika, et al., arXiv:2410.14299.